「ストレス・慢性疲労」の解決法

ストレス症候群「全てストレスが原因!」

「ストレス・慢性疲労」

「病は気から…」 病気の引き金になるストレス
「9割の病気は病気ではない。」 医学博士 岡本 裕著(講談社)より一 部転載。

がん患者さんの多くが、思い起こせば、がんが見つかる数年から10年くらいの間に、慢性的なストレスを抱えていたと証言しています。

もちろんここで言うストレスは、不快な刺激のことを指さすわけですが、たとえば、人間関係(親子、兄弟、嫁姑、恋愛、夫婦間暴力、上司や部下……)を筆頭に、仕事(転勤、リストラ、倒産……)のトラブル、金銭トラブル、介護負担、貧困……と、何かしらのストレスを感じながら、そこから脱却したいと悩んでいたと言います。

しかも、さらに特徴的なことは、彼らが、そのようなストレスに対して、生真面目に対応しているということなのです。つまり、結果的にはまともに真正面からストレスを受けてしまっていたということなのです。

先に挙げたさまざまなストレスをきっかけに、心の憂さがしたり、しかも自責の念にかられるように「真面目に対処しなければ」とがんばりすぎて、多くの方は生活習慣が乱れ、不規則な生活になっていきます。
さらには、睡眠不足にあったり、過食になったり、運動不足になったり、はたまた、薬に依存したり、アルコールに依存したりしながら、だんだんと自分でコントロールできない身体になっていき、もはや惰性から抜け出すことができなくなっていくのです。
きっと、ストレスをきっかけにして、不愉快な感情をずっと持ち続けるようになってしまい、それが原因となって、生活習慣の乱れがおこり、血行、自律神経のリズムやバランス、気の流れなどが障害される結果となって、いわゆる自己免疫力が低下し、坂道の勾配が次第に大きくなっていったのだと推測されます。

また、ストレスの中でも、長くだらだらと続く、いわゆる慢性的なストレスというのが特に曲者(くせもの)なのです。つまり我慢しようと思えば辛うじて我慢できるくらいのストレスこそ、むしろやっかいなのです。
なぜなら、なまじ我慢できるために、いつまでも解決されることなく、それこそだらだらと年余にわたり続いてしまうからなのです。一方、急激におきる大きなストレスは、意外に尾を引きません。さほど身体には影響を及ぼさないものです。
もちろん急激なストレスは、一過性には心にも身体にも大きな影響を及ぼすはずだと思いますが、あまりストレスが大きすぎて、我慢の限界を一気に超えてしまいますので、いったんはそこで「破局」を迎えてしまいます。そして否応なしに方向転換をよぎなくさせられてしまいますので、結局、ストレスがだらだらと長く続くことはないのです。
しかし、慢性的なストレスは幸か不幸か、我慢ができてしまうほどの、中途半端なサイズであるために、すぐには身体への影響はさほどありませんが、長く続くと、徐々に、それこそボディブローのように、そのダメージが効いてくるのです。
そして、次第次第に、なんとなく顔色が悪いだとか、冷えがあるとか、便秘がちであるとか…いわゆる不定愁訴(「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという自覚症状を訴えるが、検査をしても原因となる病気が見つからない状態)がまたぞろ現れてくることになるのです。
ただ、徐々に症状が現れてきますので、本人もなかなか気づきにくいし、まわりの人たちにもわかりにくいのが特徴です。
「多くの生活習慣病の原因は、生活習慣の乱れだけではなく、社会生活の心理的ストレスが、精神のみならず身体への刺激となり、心拍数を上げる、血圧を上げる、血糖値を上げる、胃腸の働きを抑制する、などの様々な生理反応を起こし、睡眠不足や疲労の蓄積をもたらし、このような状態が続くと身体に病的な変化を引き起こすことが確認されています。」
「心のポジショニングを良くし、ストレスに対する抵抗力(ストレス耐性)を増すのには、脳内のセロトニンを増やすことが有効であると考えられています。」