「不眠・睡眠障害」の解決法

ストレス症候群「全てストレスが原因!」

「不眠・睡眠障害」

不眠にはメラトニンの原料になるセロトニンを増やす
「何で眠れないんだろう。疲れがたまってるから、眠らなきゃいけないのに」。ベッドの中で考えるほど気持ちが焦り、ますます寝付けなくなった。
「眠れないから日中、体がだるくて仕事の能率が下がり、『眠らなきゃ』というプレッシャーでさらに眠れなくなるという悪循環に陥ってしまう患者が多い」と指摘する。

不眠症とは1カ月程度以上、病気や薬の副作用以外が原因でよく眠れず、日中の体調が優れない状態を指す。
入眠困難▽中途覚せい▽早朝覚せい▽熟眠障害の4パターンがあり、高齢者ほど患者が多いという。
健康・体力づくり事業財団の調査(97年)によると、日本の成人の2割強が不眠症で、現在はさらに増えているとみられる。

若年者は入眠困難、中高年は中途覚せいと早朝覚せいが多いとされる。転居など環境の変化や、仕事の悩みなど精神的ストレスが原因で一時的に眠れなくなり、不眠症に発展するケースが少なくない。

不眠症のタイプ
口 入眠困難:なかなか寝付けない
口 中途覚せい:夜中に何度も目が覚め、再び寝付くのに時間がかかる
口 早朝覚せい:朝早く目覚めてしまい、その後も眠れない
口 熟眠障害:眠りが浅く睡眠時間が長くても熟睡感がない

睡眠薬処方 :4年間で3割増 厚労省、初の指針策定へ
05年に睡眠薬を飲んでいた患者の4年後の服用状況と処方量の変化を調べたところ、医療機関が処方する向精神薬のうち、患者1人に出す睡眠薬の1日分の量が05~09年の4年間で3割増えたことが、厚生労働省研究班による過去最大規模の約30万人への調査で分かった。

処方された患者の約3割が4年後も服用を続け、このうち薬が減っていない人は約7割に上ることも判明。
調査担当者は「投与後の効果の見極めが十分でないため、漫然と処方されている可能性がある」と指摘する。
厚労省はデータを基に睡眠薬の投与や減量の方法を定めた、初のガイドライン策定に乗り出す。

睡眠は寝ている間の身体のメンテナンスや、記憶情報の処理、活性酸素の消去などに重要だ。
このシステムの維持にメラトニンが働いている。アミノ酸の一種を原料として合成される、睡眠に不可欠なホルモンだが、17~18歳をピークに分泌量は減少し高齢になると睡眠障害が起こりやすくなる。幼少時にはメラトニンが引き金となって成長ホルモンの分泌が促進され、骨や筋肉が成長する。特に睡眠中に多く分泌されるため「寝る子は育つ」のだ。

メラトニンには老化や生活習慣病の元凶ともいうべき活性酸素の消去作用がある。メラトニンは朝、目覚めた時に太陽の光を浴び、寝る前には照明を暗くすることで分泌量が増す。ウオーキングやジョギング、水泳なども効果的だ。朝、太陽の下での運動は体力づくりにもつながり一石二鳥といえる。逆にストレスやコーヒー、緑茶などのカフェイン、アルコール、たばこなどは分泌を抑えるため寝る前は避けるべきだ。
「良質の睡眠のためにメラトニンの分泌を増やすには、その原料になる脳内のセロトニンを増やすことが重要です。」